コーポレート・レピュテーション―「会社の評判」をマネジメントする
管理会計の枠組みからコーポレートレピュテーション・マネジメントの可能性を論ずる意欲作
管理会計で著名な櫻井教授が、意欲的にコーポレートレピュテーション(企業の評判)と企業の利益の相関性・関連性が強いことを数多くのケースにより説明されている。更に、いかにしたらレピュテーションを高めることができるかについても考察されている。
コーポレートレピュテーションという無形資産を管理会計で扱おうというのは、無形資産が企業の売上げや収益に大きな影響を与えていると考えられる現代において、「企業の実態」を写し、そこからマネジメントしていこうとするものであり、極めてチャレンジングであり、管理会計の進化に貢献することを期待させる動きであると思う。
しかし、コーポレートレピュテーションの研究はスタートしたばかりとのことで、これまでの研究成果をレビューすることは不可欠なプロセスであるとは思うが、「企業がなぜ無形の評判によって企業利益を高めたり大きな損失をだすかを明らかにする。」という点については、ケースが多く紹介されて「なるほど」とは思うが、因果関係を十分な紙幅を用いて実証的に提示されているとは言えないように思われた。また、「いかにしたら企業の評判を高めることができるか・・・」と言う点については、直感的な「あるべき論」に終始しているように思われた。
チャレンジングなテーマだけに、こちらの期待が大きくなりすぎ、「結論」を求め過ぎたかも知れないが、正直なところ物足りない感は拭い去れなかった。
おすすめ度:

発売日: 2005-04
発売元: 中央経済社
