直伝 藤巻流「私の個人資産」運用法
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非常に勉強になるのですが、何故「米国株」が推奨なのか、あまり明確でない。
円安になるから、ということなのだろうか?
米国株が今後も堅調かどうかは、議論の分かれるところだろう。著者は米国経済について楽観視しているようだが、米国人であるジム・ロジャーズあたりは欧米株式よりは商品への投資の方が、リターンが大きいと説いているのは皮肉なこと。
日本株推奨についての説明は、それなり詳しく成されていたが。
最後に私自身のことで恐縮だが、本書にしたがって、あわてて住宅ローンを35年固定金利で借りて、自宅を買う予定であることを告白しないといけないだろう。
明快な論旨と明快な運用ポジション
外資系金融機関・モルガン銀行東京支店長、伝説のカリスマディーラー藤巻 健史氏の著作。
序章にいきなり藤巻氏の個人資産運用のポジションが書いてある。
1.長期固定金利のお金を銀行から借りられるだけ借りる。
2.自宅を含めて不動産に投資する。
3.株を買う。米国株中心。
4.流動性はなるべくドル建てMMF等のドルにする。
5.円預金は皆無に等しい。
というもの。
このポジションの根拠はいたってシンプルかつ明快。藤巻氏は要するに
・インフレ
・円安
と今後の相場を予想しており、この予想に基づき現在の低金利で借りまくりレバレッジの効かせたポジションを取っている。
日本の政府債務残高問題を一気に解消するにはインフレ政策しかなく、政府はインフレ政策を志向するのかもしれない。その政府の尻馬に乗るという考えは納得できる。
ただ、現在では内外金利差縮小により円高傾向にある。
長期的視点にたって中期的は損を出す覚悟で同じポジションを長期間取り続けられるのは個人資産運用の強みである。
顧客に運用を四半期ごとにモニターされる機関投資家には無理な話だ。ヘッジファンドもしかりである。
BIG PICTURE
Van が常々述べている「ビッグ・ピクチャ」(全体の構図)が、
描かれた本。今、トレーダーとして、喰っている人間も、
儲けた金額から、生活費の部分を差っぴいて、エクイティ(資産)
の増加率が、年10%だったとしても、複利で運用していけば、
10年後くらいには、大金になってしまう。(例えば、最初の時点の
資金が1000万円だとして、年複利10%で回していくと、1億円を
越えてしまうのが、何年後か計算してみるといい。)それだけの、
資金を運用するとなると、ポートフォリオを組んだ方が、結局は
現実的と言うよりも、「効率的」なのである。
(勿論、「効率的」とは、行動ファイナンス理論的な意味で)
ただ、間違えてしまう人が多いのだが、経済の全体図を
見ると言う事は、必ずしも将来を予想する事を、目的として
いるのではなく、現在の状況を、より良く認識するためである。
つまり、「貴方は、儲けたいのですか。それとも、経済問題の
解説者になりたいのですか。」と言う事。
ところで、ソロスが、下積時代に鞘取りをやっていたという事を、
考えると、最終的に、トレーディング(投機)は、
インヴェストメント(投資)に為らざるを得ないので、
「投機はダメで、投資はOK]とか「いや、儲かりゃ、
何でもいいんだよ。」と言う巷によくある議論については、
「阿呆くさ」と思ってしまう。
個人的にはトレーディングの目的と、
長期的な持って行き方(つまり、長期戦略)を
考えるための、一つの材料になった本である。
おすすめ度:

発売日: 2005-11-22
発売元: 講談社
