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日本の経済格差―所得と資産から考える

日本の経済格差―所得と資産から考える
橘木 俊詔
日本の経済格差―所得と資産から考える

定価: ¥ 735
販売価格: ¥ 735
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論争的かつ実証的な著
 岩波新書の果たすべき社会的役割はこういう本に凝縮される。
 この書のクリティカルな論点は二つ。
 一つは、日本の所得分配が、とかく問題があるとされる「世帯ベース」
で見てすら格差が拡大しているという事。論争点となった「アメリカより
格差のある状態」はさておいて、かつての「一億総中流」は支持され得よ
うもなくなった命題だという事を端的に示している。
 いま一つは、税制を通じた日本の所得再分配制度は、全く機能してい
ない事(わずか2%の是正率)。これに対して社会保障基金を通じた
再分配は、意外に効いており、再分配率も高まっている。
(前者は右翼側が、後者は左翼側が意図的に無視したがる点である。)
 この二つは何れも、(程度認識に差はあれど)、経済学や社会学を専攻
する者にとっては良く知られた事実である。しかし、全く逆の信仰が社会
の一部に強く根付いている。岩波新書は、各学会での「先端の常識」を
社会に還元する役割を担っている側面があり、この書はそれを堅実に果た
していると言えよう。論争点も含め、現在でも読む価値のある好著である。

手堅い
中公新書『不平等社会日本』をきっかけに,日本社会の不平等化の兆しが注目されている.本書は,賃金や貯蓄率などの各種統計データを縦横に駆使し,実証的に不平等化の傾向を指摘している.なんと,弱肉強食の国アメリカよりも,日本は経済的に「不平等」な側面がある.
そして,統計から得られた現状認識を基礎とし,ロールズの公正原理(誤解を恐れず言えば「一番しんどい人が一番助かるようにしよう」ということ)に共感しつつ著者が出した結論とは,不平等を是正するような所得再分配政策を実施すべき,ということだ.言い換えれば「マクシミン基準の適用に際して発生する副次的なネガティブな効果を最小にする政策こそが,求められる理想的な政策であると考える」(p184).
著者は専門の経済学者と!?!!?て,そのための具体的な方策も提示することも忘れない.税制度改革・社会保障制度改革などだ.諸外国と比較してみると,日本は福祉国家では無いし,戦後も一貫して福祉国家ではなかった.理論的には,国民の負担を増加させる余地があるのであり,このことは本書においても客観的に論証されている.問題なのは「負担」の使われ方だ.
本書は,このテの政策論議に必要な統計資料が多く含まれているので,客観的事実を容易に確認したい時に便利だろう.巷間の俗流エコノミストの根拠の無い政策論に騙されないためにも読むべきである.

社会が変わる
 本書には異論も出ているようであるが、貧富の格差を示す統計は多く出されています。本書では貧富の格差が広がっていることを指摘しているが、更に深刻に指摘しているのは機会も不平等に向かっているということです。政府が税制改革をしなくとも不平等には向かってしまっていることが分かります。能力主義の導入、税制改正と格差は急激に広りそうです。

人気ランキング: 53418位
おすすめ度:
発売日: 1998-11
発売元: 岩波書店

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